研究内容

建機の電動化に向けた油圧機器の性能向上(田中研)
カーボンニュートラル実現に向けて、電動モータで駆動される電動化建機の開発が進められています。電動化における課題の一つに電費があります。本研究ではより少ない電費で動作するように、電動化建機に適した油圧機器の性能向上を進めています。
機器の電動化に向けた熱設計技術の開発(齊藤研)
世界的なカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの中で、電気自動車に代表されるように、機器の電動化が急速に進展しています。実際に機器を運転する際の課題と一つとして、電気エネルギーの変換ロスによる発熱やジュール発熱の放熱があります。私たちは、建設機械に特有の発熱問題を対象として、優れた放熱を実現する熱設計技術の開発を進めています。
斜板式アキシャルピストンポンプにおけるスリッパ/斜板間の油膜厚さ分布計測(田中研)
斜板式アキシャルピストンポンプは油圧モータやシリンダに作動油を供給する油圧ポンプです.このポンプには金属部品同士が擦れながら動いている摺動部があります.本研究では厳しい摺動状態にあるスリッパ/斜板間の油膜厚さ分布を蛍光法で計測し,摺動部の最適設計を行います.
界面を含む輸送現象の解析(齊藤研)
モノとモノが接触する界面では一般に熱抵抗が存在します。界面における熱抵抗の値は、両者の間に存在する空隙の大きさや形状、両者の化学的親和性などにより変化するとされていますが、いまだ詳しいことは分かっていません。私たちは、実験やシミュレーションをとおして、界面を通過する熱に対して影響を与える因子を明らかにすることを目指しています。
ZnDTPトライボフィルムの形成挙動と摺動面のトライボロジー特性(田中研)
ZnDTP(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)はエンジン油等、多くの潤滑油に使用されている添加剤で、硫化物層やポリリン酸皮膜のトライボフィルムを形成して摺動面を保護することが知られています。これまで、ZnDTP トライボフィルム研究の多くは表面が非常に平滑な試験片で行われていますが、本研究では実際の機械部品に近い表面粗さでZnDTP トライボフィルムの形成挙動と摺動面のトライボロジー特性の関係について研究しています。
ナノ材料を用いた伝熱制御技術の開発(齊藤研)
金属ナノ粒子が溶媒に分散されたナノインクを基板上に塗布し、適切な熱処理を行うことで、基板表面の機能をコントロールすることができます。例えば、銅基板上に形成された銅ナノ粒子層表面の濡れ性は、ナノ粒子層表面の酸化状況や層表面の粗さにより変化します。私たちは、熱処理による銅ナノ粒子層表面の濡れ性変化が、沸騰や凝縮といった相変化現象に与える影響を検討しています。