研究内容

機器の電動化に向けた熱設計技術の開発(齊藤研)

感温液晶を用いた温度分布計測の高度化

ある種の液晶高分子は、温度による内部構造の変化のために、照射された可視光域の光を散乱反射する際に波長選択性を示し、温度で色が変わります。このような液晶を感温液晶とよび、それを薄い皮膜で包むことで直径20~30ミクロン程度のマイクロカプセルが得られます。これを温度測定対象の表面に塗布することで、表面温度分布を色表示することが可能となります。この手法を用いると、回転や移動している物体表面の温度分布を遠隔的に測定することが出来ます。



赤外線カメラを用いた薄板物体表面における熱伝達率の直接計測

物体表面の温度分布を遠隔的に測定する際、赤外線カメラが多用されます。一方、物体表面からの放熱量を知りたい場合、表面温度分布に加えて、熱伝達率分布も測定する必要があります。測定対象が内部発熱する薄板形状の場合、物体内を熱伝導により移動する熱と物体表面から対流とふく射により放出される熱は全体でバランスすることに注意すれば、赤外線カメラによる温度測定に基づいて、物体表面からの放熱量を推定することが可能となります。