研究業績

成形加工 36, 2, 87-93 (2024)
背景型シュリーレン法による軸対称な射出成形品の屈折率分布測定

著者

戸谷公紀, 佐山聡, 齊藤卓志

カテゴリ

齊藤研究室

Abstract

射出成形により製造された高分子光学部品内部の軸対称屈折率分布の測定法を提案する。部品内部の屈折率の均一性などの光学品質の向上は、産業ニーズを満たす光学性能を実現するために不可欠である。製品品質を向上させるために射出成形の設定を最適化する場合、製品品質と設定の関係を分析するために、屈折率分布の簡易測定法が重要である。そこで本研究では、背景指向シュリーレン法を用いて、実験対象物を通過する光線の偏向角を測定することで屈折率を測定した。軸対称屈折率分布を持つ成形サンプルを測定することで、異なる温度条件下でのアニールによって、1×10-4レベルの偏差で屈折率の合理的な変化が生じることが示された。さらに、金型温度、保持圧力、冷却保持時間などの成形条件による屈折率の変化を定量的に把握することができた。成形条件に関する回帰分析と相関分析の結果は、温度変化率に基づく定性的な予想とよく一致した。