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2025.10.17学会・論文発表

第46回日本熱物性シンポジウムにて研究成果を発表

10/8-10の日程でアバンセ(佐賀県立男女共同参画センター・佐賀県立生涯学習センター)において開催された、第46回日本熱物性シンポジウムにて研究成果を発表しました。


Self-Actuating Internal Stirring Mechanism for Maintain Dispersion uniformity of Paraffin/CNT PCM Composites in Thermal Energy Storage

(自己駆動型内部撹拌機構によるパラフィン/CNT PCM複合材の分散均一性維持に関する研究)

発表者:Yinfeng XIA (東京科学大) 写真

共著者:齊藤卓志 (東京科学大)


カーボンナノチューブ(CNT)で熱物性を向上させたパラフィン系潜熱蓄熱材料(PCM)は、CNT の凝集により長期的な性能劣化を起こしやすいという課題があります。
本研究では、PCM 自身の熱膨張を利用してインペラ(羽根車)を駆動する、外部電力や制御を必要としない自己駆動型内部撹拌機構 (Self-Actuating Internal Stirring Mechanism) を提案します。

50回にわたる熱サイクル実験検証により、この機構が CNT 添加 PCM の均一性を維持し、熱物性の低下を抑制することが確認されました。撹拌された試料は、初期の熱伝導率の90%を保持し、対照群の74%を大きく上回る結果となりました。
この成果は、熱エネルギー蓄積システムにおける長期的な信頼性を確保する有効な解決策であることを示しています。


本研究成果を建設機械の性能向上に役立ててまいります。